自己破産の相談をするにあたって、どのように進めてゆけばよいでしょうか?

このページでは、自己破産の相談について、流れ・費用・どこにいけばよいか・いい弁護士に会うコツをお伝えします。

自己破産の相談はどこでやっているか?

相談自体は至るところでやっています。紹介はしておきますが、結論としては法律事務所に直接相談をするのが一番です。その理由は最後にまとめます。

自治体での相談

たとえば、東京都では「多重債務110番」として、東京都消費生活総合センターで相談をうけつけています(詳しくはこちら)

その他区役所でも多重債務相談としてうけつけている場所があります。

これらは無料で使えるのですが、あまりお勧めしません。

なぜなら、自己破産手続きは最終的には弁護士や司法書士に代理してもらってすすめることになるので、2度手間になるからです。

弁護士会・司法書士会での行う相談

自己破産手続きは弁護士と認定司法書士が行うことができます。

弁護士は強制的に弁護士会に、司法書士は強制的に司法書士会に所属することになっており、東京では東京弁護士会・東京第一弁護士会・東京第二弁護士会に弁護士が、東京司法書士会に司法書士がそれぞれ所属しています。

各弁護士会や司法書士会は、会の活動として多重債務問題の相談に無料でのっています。

東京弁護士会はこちら、東京第一弁護士会はこちら、東京第二弁護士会はこちらから、東京司法書士会はこちらから

リンク先を見ていただければわかるのですが、これらは公益を目的としてやっているため、どうしても時間に制限があったり、相談できる日に制限があったりします。

また司法書士さんは自己破産手続きにおいては、書面の作成のみで、裁判所での期日には同席してもらえません。

こちらもあまりお勧めはできません

自己破産相談するなら自己破産に強い弁護士の事務所に直接相談しよう

自己破産の手続きを完全にサポートしてくれるのは弁護士だけです。

30分や1時間の相談で、自己破産のような自分の運命を決めてしまうような相談ができるでしょうか?

後述するように、方針決定においては様々な事項を整理して、希望などを聞きながら相談をすすめていく必要があります。

通常の案件でも情報整理だけで1時間かかることも多くあるのです。自己破産を専門でやっている事務所ですと無料でゆっくりと相談にのってもらえるので、お勧めです

自己破産の相談の流れ

自己破産手続きの相談の流れは次のようになります。ただし、弁護士の先生の方針次第でかわりますのでご了承ください。

自己破産相談の予約

まずは、弁護士の先生と相談する予約をとることになります。自分の予定をまずは確認をしてください。

自己破産の相談当日

相談当日は次のような流れになります。

債務の状況・生活状況・資産状況をまとめる

債務の状況は、どこから借りているか、どのくらい借りているか、いつから借りているか、保証人はついていないか、担保はついていないかといった事項を聞かれます。支払いが遅延している場合には、保証会社といわれる会社や債権回収会社に債権が移っていないか、訴訟はされていないか、といった事項についてもヒアリングされます。税金の滞納があるような場合には、どの税金を滞納しているのか言えるようにしておきましょう。

生活状況は、現在どのような仕事をしているか、収入はいくらくらいあるのか、どのような家族構成なのか、といった事項について聞かれます。その目的は今どれくらいの支払いができるか?ということをまとめるためです。

資産状況のまとめとしては、不動産(自宅・マンション等)があるか、車はもっているか、金融資産(特に積み立て型の保険)があるかは必ず聞かれますので、答えられるようにしておきましょう。

この情報のとりまとめは単なるまとめなので、パラリーガルと呼ばれる事務員さんがとりまとめてくれることもあります(おおきな事務所ではほとんどこの流れになります。

債務整理の方針を固める

借金の総額と支払いがどの程度できるかといった状況をまとめたなら、次にするのはどの手続きを利用するかの方針をかためます。

自己破産手続きは、単に借金があるだけでは利用できず、破産法2条11号がさだめる「支払不能」と呼ばれる状態になければ利用することができません。つまり、債務の総額を今の収支では支払いきれないという状態になければならないのです。

もし、債務の総額を払えるという判断がされたりとか、今の職業が自己破産により制限がかかってしまうような場合には、任意整理という手続きや、民事再生という手続きを利用することになります。

借り入れ期間が長い場合には、法律で認められていない利息の支払いをしていた可能性があります。その場合には借金の総額が減る可能性があるので、この時点では方針は決めずに、いったん弁護士が介入するだけで、債務の調査が済んだのちに方針を決めることもあります。

契約をする

面談で納得がいった場合にはその場で契約をします。契約をすると弁護士は受任通知というものを債権者に発送します。

今まで督促がたくさん来てて大変ではなかったですか?弁護士が通知を発送すると、通知が到着するまでは入れ違いで督促がいく可能性がありますが、通知が届いて処理がされると債権者からの督促はなくなります!

自己破産の相談に必要な費用

相談料

弁護士に相談をすると、通常30分5,000円程度の相談料がかかります。

しかし、最近自己破産をはじめとする借金問題に特化した事務所では、何時間相談しても弁護士費用は無料というところがほとんどです。

着手金

弁護士に案件を依頼するには通常、事件に携わってもらうために一定程度の費用を支払う必要があります。これを着手金と呼んでいます。

ここは弁護士によって異なるのですが、着手金も最初は無料で分割して払ってくださいという事務所がたくさんありますので、予約時に確認してみてください。

自己破産の相談をするにあたって準備しておくとよいもの

自己破産の相談にあたって準備しておくとよいものにはどのようなものがあるでしょうか?

自分の債務状況をまとめたもの

さきほど、相談にあたっては必ず債務状況を聞かれるということをお伝えさせていただきました。

ここまで返済に必死で、自分がいくら借りているかわからなくなっていませんんか?

どこの弁護士に相談しても、どこから、いくらくらい借りていて、いつから借りていて、連帯保証人がついているか、担保を入れているかは絶対に聞いてきます。支払いが遅れている場合には、訴訟(裁判)をされていないか

ですので、メモ程度でも構いません、上記のようなものをまとめてメモを作っておくとよいでしょう。

まずは、どこから借りているかを一覧にします。vizaカードとかmasterカードをつかっている場合は信販会社がどこかです。使っているカードの裏面に大体は記載してあります。

いくらくらい借りているかは1円単位までは必要ありません。今枠いっぱいまで使い切って、返済をするたびに開いた枠から借りているということを繰り返していませんか?それならその枠がいくらくらいかを伝えれば大体わかります。間違っていてもかまわないのですが、正確な方針確定が遅れます。

もしまったくわからないのであれば、信用情報機関に借り入れの状況の開示を求めましょう。(JICCという会社の情報開示のページはこちら

前述もしましたが、借り入れ期間が長い場合には、違法に取りすぎていた利息を、借金の残額と差し引きして計算することになります(場合よっては払いすぎていた金額のほうが多くて、過払い金として帰ってくることもあるんです!)。そのため、いつくらいから借りていたか、こちらも大体でいいのでまとめてみてください。

大手からの借り入れができなくなって中小の貸金業者から借り入れをしているような場合や、ご商売を自営・会社等でされているような場合には、貸付にあたって連帯保証人の設定はされていないですか?金銭消費貸借契約書にどのような記載があるか確かめておきましょう。

不動産をもっている場合には、不動産を担保にして借り入れをすることができます。担保とは返済ができなくなった場合に担保物(自宅など)を売却して借金の返済にあてるものです。不動産担保借り入れがあるかは金銭消費貸借書、ない場合には不動産の不動産登記全部事項証明書(通称:登記簿謄本)を取得すると、乙区という担保について書いている欄に記載がありますので、相談前に取得しておくことが望ましいです。

マンションの所有者の方は管理費などの延滞があるようでしたら、それについても把握をしておきましょう。

税金の滞納がある場合には、滞納の通知が届いていると思いますので、その額を確定しておきましょう。できれば市県民税・所得税・固定資産税などの種類を答えられると完璧でしょう。

支払いが遅延すると、銀行や消費者金融は内部的な処理として、サービサーと呼ばれる債権回収会社に債権を移譲していることがあります。法律的な仕組みでいうと「代位弁済」か「保証債務の履行」というややこしい理論なのですが、今まで督促をうけていた会社と違うところから督促をうけている場合には、その会社からの通知などを持っていきましょう。

また、支払いが遅延している場合には、訴訟を起こされている可能性があります。貸金業者からではなく裁判所から特別送達郵便という形で書留のようなものが届いている場合には必ず持参するようにしてください。正式な裁判ではないもの「支払督促」という裁判所を通じてする簡易な手続きもあります。裁判所から書面が届いている場合には相談時に必ず準備しておきましょう。

自己の生活状況をまとめたもの

こちらも前述いたしましたが、法律相談にあたっては生活状況、とくに収支と毎月しはらい可能な金額について尋ねられます。

何千件もの相談を受けてきての経験則からいうと、この収支の状況を正確に答えられる人は、50人に1人くらいでした。

日々の督促に疲れ果てて、収支の状況などわからない…その気持ちは十分わかるのですが、実は収入が多くて支出が多すぎるような場合、自己破産をしたい!と思っても、家計の状況的に裁判所に「ただ、贅沢をしすぎ。」と認定されて、前述の破産法に定められた「支払不能」ではないと認定されてしまうと破産ができない恐れがあります。

逆に、収入が少ないのに月々に払える金額が多く見積もっており、実際には月々の支払いはそんなにできないような場合(圧倒的にこのケースが多いのですが…)には、自己破産しなくても大丈夫と判断され、任意整理をしたものの支払いができずに再度自己破産の依頼をしなおす事になりかねません。

こちらも概算でいいので、もう一度まとめておく必要があります。

「じゃあ、どんな事項についてまとめればいいの?」という方のために、破産手続の申立をするにあたって家計の状況を提出する申立書があります。こちらの裁判所のページにPDF等で破産の申立書類について掲示しています。

収入に関する項目が左の列・支出に関する項目を右の列になりますので、それを記載してみます。

資産に関する事項の書類

前述のように、自己破産の相談をすると必ず現在の資産に関する事項が質問されます。概算でもよいのですが、できれば正確な書面があったほうがよいでしょう。

車を所有している人は多いはずです。車検証で何年くらいのものなのかわかるようにしておくと良いです。通常自動車は会計処理上、普通車で7年・軽自動車で5年経過すると、資産としてみなされない可能性があります。しかしローンで買っている場合には自動車ローンを借りた会社が売却しろと言ってくるおそれがあります。できれば査定をしてもらっておくことをお勧めします。

自宅(マンションを含む)を有している場合には、査定書をとっておくことは正確な方針検討に役立ちます。場合によっては自己破産をしなくても、自宅を任意売却することで支払いが苦しい状況から免れる可能性があります。

積み立て型の保険を有している場合には、それが資産になるという認識は必ずもっておくべきでしょう。資産価値をはかるには解約返戻金の額によりますので、保険会社にいくらになるか聞いてみるとよいでしょう。

株式等の有価証券を保有している場合には、何株もっていてその価値がいくらくらいかということを調べておきましょう。

契約に必要なもの

すぐにでも督促をやめてほしい場合には、訪問後直ちに依頼をすることも考えられます。100円ショップで買えるものでよいので、シャチハタ以外の印鑑をもっていくと良いでしょう。

弁護士の考え方次第なのですが、着手金を分割ではらうにも最初にいくらかだけでも入れてほしいと考える弁護士もいますので、必要な金額は用意しておきます。

この時に絶対やってはいけないのが、借り入れをしてお金を工面することです。弁護士に依頼するということは以後支払いをしないということになります。返す気がないのに借りた場合には、その債権者からは詐欺を疑われる可能性が出てしまいます。

消費者金融等のカード

自己破産を含む債務整理手続きを利用すると、カードは使えなくなります。弁護士がどうするか次第ですが、目の前でICの部分をハサミで切って、債権者に返送してくれたりしますので、カードは持参しておきましょう。

自己破産を上手にすすめるコツ

ここまで、自己破産の相談場所・相談の流れ・準備しておくものについてお伝えさせていただきました。

では実際に依頼をするにあたって、このようにしておくのが良いという事項についてお伝えします。

複数の法律事務所に相談しよう

自己破産を含めた債務整理は実はほとんどが定型的な業務です。そのため経験の浅い弁護士でも取り組みやすい分野なので、多数の事務所が相談にのっています。

ですので、実は重大な問題が隠れていても見過ごされて淡々と事務処理をされ、いざ破産となって問題がみつかったときに裁判所や破産管財人から指摘されてからバタバタすることもあります。

複数の事務所に相談することをお勧めします。

都合が悪いと思うことでも正直に言おう

自己破産を含む借金の問題は人のデリケートな事柄なので、なかなか昨日今日あったばかりの弁護士に話づらいのが本音でしょう。

ですが、ちょっと話辛いな…と思うことでも正直に話しておくことは重要です。

破産手続は借金を帳消しにしてくれる手続きです。いざ手続きが始まると借金をした理由・財産の状況・収支に関する情報など、しっかりと裁判所・破産管財人に報告しなければなりません。

いいづらい事でも正確に弁護士に報告はしておくようにしましょう。その結果、裁判所に報告すること・しないことは弁護士が判断してくれます。

自己破産手続きを利用するのに絶対にやってはいけない3つのこと

自己破産手続きは借金を0にすることが認められている手続きです。

ですので、その手続きの利用にあたっては、慎重に、正直に、公平に行う必要があります。

ここでは、破産手続きにおいて絶対にやってはいけない3つのことについてお伝えします。

絶対にやってはいけない1:だれか1人だけ返済する

絶対にやってはいけない事の1つめは、だれか1人にだけ返済をすることです。たとえば借金の中でも友人や恋人・親兄弟の分だけは返済するようなことです。

破産法の利用にあたっては、銀行だろうが消費者金融だろうが親だろうが恋人だろうが、全員1人の債権者として取り扱われます。

そして破産法はその債権者を平等に扱うように求めています。

どんな事情があっても、破産手続が終わるまでは支払いをしないようにしましょう。

絶対にやってはいけない2:依頼直前の借り入れ

すこし前述したのですが、相談時によく「もう破産するならカードの枠全額おろしてきたほうがいいですか?」という方がいらっしゃいます。

返済する気がないのに借り入れをすることは詐欺になりかねませんので絶対にやってはいけない事になります。

絶対にやってはいけない3:資産の名義変更

これもたまにあるのですが、「自宅の名義を妻に替えてしまったほうがいいですか?」という方がいらっしゃいます。

破産手続きをする場合に資産は必ず報告する義務があります。住宅や車の名義を変更しても、銀行取引の明細に住宅ローンや信販会社はだいたいの場合で出てくるので、資産隠しは必ず裁判所にばれると考えていただいて構いません。

おすすめの自己破産問題の弁護士

自己破産問題など債務整理に特化している弁護士をご紹介します。

岡田法律事務所
弁護士 岡田優仕


名村法律事務所